▲マンガの描き方講座での長田さん
6月19日(日)に「現役マンガ家・長田悠幸氏によるエッセイ&旅レポマンガの描き方伝授ツアー」をおこなった。
ガイドをつとめていただいたのは、現役マンガ家・長田悠幸さん。
現在はビッグガンガン誌にて「SHIORI EXPERIENCE」を連載中で、過去の代表作は「トト!」「天の覇王~北斗の拳ラオウ外伝~」「キッドアイラック!」など。キャリア10年以上のベテランマンガ家である。
『超初心者向け!マンガの描き方講座』→『みんなで実際に描いてみよう!』→『1つ1つ添削してもらおう』
という流れで、ゼロからマンガの描き方を教わった。
参加者は10名限定で、ほとんどの方が、この日マンガを描くのがはじめて。みなさん、メモを取りながら真剣にレクチャーを受けていた。
▲以前、長田さんが描いた香港旅行のレポマンガ
まずは、みっちり90分間、マンガの描き方講座をうける。
LESSON1「長田氏のマンガ表現の意図を解説する」では、過去、長田さんが描いた香港旅行のレポマンガを題材に、マンガ表現の基礎を学ぶ。
●絵的に面白い場面やエピソードのオチなど、見せたいコマは大きくする
●基本的には時系列だが、読みやすさを考慮して、ネタ順を組みかえる
●1コマ目で香港全体を俯瞰で大づかみして、次のコマから具体的なエピソードにはいる
と、どのようなことを考え、それがどのような形でマンガとして定着しているのかを、まずはざっくりと解説。
LESSON2は「自分の分身”ナビゲーター”を作ろう」という項目。
エッセイやルポ漫画において必須な”自分自身”を描く手法を伝授いただく。
●キャラの性格で、マンガのムードが変わる。自分の性格の一部をデフォルメするとよい
●表情を見やすくするため、ちょっと顔は大きめにしよう。
●感情は「眉毛」と「目」で表現できる。
●「鼻」を描くのは難しい。初心者がうかつに手を出すとヤケドする。
などなど、キャラの描き方をいたって具体的に解説いただいた。
そうか、初心者が鼻に手をだすとヤケドするのか。
LESSON3、4で「ネタだしの方法」「作業工程」を教わり、講座の最後LESSON5は「悪い例と良い例を比較しよう」のコーナーだ。
秋葉原駅に実際にある『やばい自販機コーナー』を題材に、レポートマンガを良い例、悪い例の2パターンで描き分けていただき、その差を解説してもらったのだが、これがものすごく分かりやすかった。
▲秋葉原のやばい自販機コーナーの商品ラインナップ
売ってるものが 「チップスター」「カブト虫」「ヒマラヤ岩塩」「ヒマラヤ岩塩」「ヒマラヤ岩塩」「チップスター」「カブト虫」だったりする。くわしくは東京別視点ガイドのレポ記事をお読みくださいまし。
▲悪い例
▲良い例
同じスポットを紹介しているのだが、ずいぶんと違う。
なにが違うのか、指摘されていた点をいくつか書くと
●悪い例は、キャラクターの性格がわからない。
●悪い例は、コマ割りが単調。自販機に気づくだけのコマは小さくていいし、オチはもっと大きくていい。
●悪い例は、縦書きと横書きのセリフが混ぜっていて、読みにくい。
●悪い例は、1コマ目のセリフですべてネタばれしている。
●悪い例は、報告になっているが、良い例は「そのときの気持ち、感想」を描いているので、読み手も一緒に出かけているような気分になる
●良い例の、最後のコマは自販機のイラストがボケ、主人公のセリフがツッコミになっている。読む目線は右から左に流すので、右に「ボケ」、左に「ツッコミ」を描くのがよい
などなど、目からウロコの指摘の数々。比較されるとわかりやすい。
なにも教わってなけりゃ、悪い例とまるっきり同じようなマンガを描いちゃうな、こりゃ…。
90分の描き方講座を習ったら、1時間ばかりの制作タイム。
自分自身の体験談を、習ったことを参考にしつつ1~2ページのマンガにしていく。
原稿用紙は、長田さんが普段使っているビッグガンガンのもの。連載気分を味わえる。
実際に描きはじめると1時間はあっという間。みなさん、黙々と真剣に描いていた。
描きあがった1つ1つの作品を講評していただき、改善点があれば指摘してもらう。
講座の内容をふまえているからか、とてもはじめて描いたとはおもえないようなクオリティのマンガばかりであった。いやはや笑った。
希望者は出来上がった原稿にサインをしてもらい、ツアーは終了した。
今回のツアーは1日かからずに埋まってしまったので、「行きたかったけど、定員で締め切られてた!」という方も多いのではないだろうか。
また秋にでも第2回を開催する予定なので、ご期待ください!
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