異色の路上観察トリオ「庭先PT」の研究発表トークライブをやりました!【レポ記事】



 

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▲庭先PTメンバー(左から中島由佳・村田あやこ・木村りべか)

 

7月2日(土)に、異色の路上観察トリオ・庭先PTによる研究発表トークライブ「庭先PTサミット」をおこなった。

庭先PTは、庭先にあるものを独自観察しつづける女性3人組。メンバーは、木村りべか(図画工作作家)、中島由佳(写真家)、村田あやこ(路上園芸学会)。

今回のトークライブでは、撮りためた路上写真をもとに、三者三様でその魅力を解説していった。

 

 

 

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▲木村さん作の植木鉢の分類表

 

メンバーの木村さんには、3月の「下町・平井の植木鉢をひたすら鑑賞するツアー」をガイドしていただいた。専門ジャンルは「植木鉢」。植木鉢に魅せられ、8年ものあいだ撮り続けている。

メンバーの中島さんは、6月に「ホースの写真家・中島由佳の新作発表会2016」を別視点サロンにて開催。専門ジャンルは「ホース」や路上スナップなどで、ホース撮影歴6年。

お二方の活動は、以前に書いたレポ記事にくわしいのでご覧いただきたい。

 

【レポート】「下町・平井の植木鉢をひたすら鑑賞するツアー」をやりました!

盆栽には人の想いが詰まってる。だから捨てられず、手入れのはいってない盆栽が増えるんです【「ホースの中島由佳新作発表会」レポ前編】 

ゴミ袋が生き物に見える癖がある。あらゆるものに自己投影してしまう。【「ホースの中島由佳新作発表会」レポ後編】

 

 

 

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今回新たにメンバー入りしたのが、村田あやこさん。「植物」が専門ジャンルだ。

観察対象である、へんな植物をレベル1~3でご紹介いただいた。

 

 

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レベル1のへんな植物は、まだ鉢のなかにとどまっている。

 

 

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レベル2ともなるとオバケ化してくる。写真は育ちすぎたサボテンだ。

 

 

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レベル3では植物が家を飲みこみ、主導権も家主から植物サイドに移行している。

 

 

 

 

 

●5つの町をめぐった報告

 

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中島:3人の違いを端的にあらわした表があるのでご覧ください。

 

-こんなにはみ出すんなら、もうちょっとデカい表にしたらよかったんじゃないですか!

 

中島:木村さんはバグり感を重視していて、わたしはホース。植木にはそれほど興味ないけど妄想くわえて写真を撮ったり、村田さんは植物にかなり興味があって、ほっこりとかファンシーよりも化け物感に興味がある。

そんな私たちが3人で「ここ、いい植木とかありそうだよね」って場所へ実際に行って、撮影をしております。

 

 

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中島:「庭先探検!庭先エクスペディション」として、平井、赤羽、中野、月島、雑司ヶ谷の5か所を3人でめぐった報告をします。

 

-巡る町はどういう基準で選ぶんですか?

 

中島:やばそうって基準です。東京の端のほうほど、やばそうってイメージが個人的にはあるので。
村田:あとはタレコミがあるんですよね。こういう活動してると「ここ、いいよ」って。

 
-隣の新小岩に住んでたので、平井のことはよく知ってますけど、まじで何にもない駅ですよね。

 

中島:3月26日に「下町・平井の植木鉢をひたすら鑑賞するツアー」をやられて、私たち2人も参加しました。

 

 

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村田:これはその時に発見したんですけど、植木にまじってなぜかイカも干されていて、スルメを作っていたんですね。あと1週間もすれば、いいスルメが出来そうだなと。

 

中島:かぼちゃのカワイイ置物などファンシー系のテイストにもかかわらず、イカが干されているギャップですね。

 

 

 

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村田:なぜか標識が改行されてる。枠に合わせて、勝手に切って改行されてる。しかも4丁目の途中で。

 

 

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木村:これはミッチーの墓です。長年、植木を見てきて、植木鉢を墓として利用しているってのは初めてでかなり衝撃だったんです。享年が15年なので哺乳類なのかなと。

 

 

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木村:かなり鳥がお好きなおうちなのか、鳥に食べさせるようのおそなえが刺さってます。

 

 

 

●赤羽編

 

中島:赤羽行くまえに課題図書がありまして、北区赤羽ってマンガがあるんです。

 

村田:赤羽に住んでるおかしい人たちと著者の交流を書いたマンガなんですけど「人がおかしい場所は植木もおかしいはずだ」と目星をつけて、赤羽に行ってまいりました。

 

 

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木村:ここのおたくを守っていて、奥のおたくはペットボトルで守ってる

 

村田:植木鉢って伝染するんですよね。

 

木村:1軒おいてると2軒3軒とまわりのおたくにも置かれている。

 

 

 

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木村:これは構成がきれいだなと思って撮りました。物干しざおが枠になっている。枠の中にぴったりおさまっていて、台座も整っている。

 

 

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村田:これは「植木鉢の墓場だなあ」とおもって撮ったんですけど、よくよく見ると植物が生きてて元気なんですよね。使われてない駐車場の一角に雑然と置かれてました。

 

中島:これを見ると「植木鉢ってほんとに人間を必要としてるのかな」って思っちゃいますね。

 

木村:ある程度まで行くと、勝手に生きていけるのかな。

 

 

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中島:植物のまわりがたれてて、まわりがピンピンしてる。

 

村田:こういう犬いますよね

 

 

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中島:石を削って造形してる店には、こういうギリギリのものもありました。

 

-黒目しかないミッキーですね

 

 

 

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村田:作業服のお店なんですけど、靴を包んでるビニール袋に年季が入ってて。こんなにヒモで守ってるのに、中身は放置してて、そのバランスがいいなと。

 

中島:植木と同じですよね

 

 

-植木と同じなんですか??

 

木村:植木もヒモの技があるんですけど、けっこうがんじがらめにしちゃったりするんですよ。そのわりには、なかの植木が枯れてたりする。

 

-なるほど、人柄が出ちゃうわけですね。軒先の商品って植木と同じなのか。

 

 

 

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村田:建物の2階3階の窓のそとに自作の棚があったんです。この建物は自作の鉄の棚をやたら作ってて、アロエが乗っている。空中庭園って名づけてます。どうやって水をあげてるのか。

 

 

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村田:猫避けで守ろうとしてるんですけど、守りすぎ。大五郎がならんで酒豪ですね。一鉢に対して、こんなに高密度で並べてるのは初めて見ました。

 

 

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村田:これは江戸時代のお仕置きみたいだなって。すごい縛られてるし、石もおかれてるし。

 

-石抱きの刑ですね

 

 

 

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中島:ホースを1500枚近く撮ってるんですけど、はじめて見たんですよね、貯金箱の横にあるホース。

 

木村:これは一緒に歩いていてもどこにあったのか分からなくて、中島さんってホースを見つけるセンサーが発達してるんです。

 

村田:動体視力がすごいんですよ。

 

-動かないですけどね、ホース。

 

 

 

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中島:いいですね。収納しきれてない。はみ出てるわりに、けっこう重たいんですけどフタはちゃんと置いている。

 

 

 

●月島編

 

中島:もんじゃの町として知られていますが、開発で建ったビルと下町のミックス感が面白いところでした。

 

 

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村田:佃の堤防わきにあるスポットなんですけど、たぶんちゃんとしたオフィシャルスポットですね。区切られた区画ごとに住人の人たちが園芸をしてるんです。

 

-ああ、勝手に置いてるわけではないんですね。

 

村田:そうなんです。園芸欲を発散させるための合法な風俗街みたいな。

 

-そう見えちゃうんですか!?抜け道を用意しないと違法でやりだしちゃうから(笑)

 

中島:こういうところってひと気が少ないからヤンキーが溜まったりするのを抑止するために植木を置かせてるんじゃないかな、って考えました。

 

 

 

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村田:区画ごとにその人のキャラクターが出ていまして、ここは植物のあるがままにさせているんですけど

 

 

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村田:こっちは美意識が高くて、すごく整えられている。全部で100mぐらいあるんですけど、それが2mぐらいで区切られてて、1つ1つ世界観があって見応えありました。

 

 

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村田:その近くにあったサボテンなんですけど、こういうのを「サボテンの煮込み」って呼んでいます。

 

-煮込まれてますか??

 

木村:鍋のなかでフツフツ沸騰してる状態をサボテンで表現しましたみたいな。ちっこいやつが泡。

 

 

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木村:はじめてお釜でやってるのを見ました。月島ってけっこう台所が外にはみ出てるなって。急須に植物が埋まっていたりとか、カップラーメンを鉢として植えてたり、台所が外に出てました。

 

 

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中島:木村さんが路地に吸い込まれるように入って行って、ここにたどり着いた。導かれた。

 

木村:なんかこっちかなって進んでいったら、すげえ庭があったんですよ。後ろのほうで、ウサギがめっちゃ見てるんですよ。

 

-あ、ほんとだ、観客なんだ。

 

 

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村田:新しいビルのまえに路上園芸がされている。新しい建物に果敢に路上園芸で対抗してるような、新しいものと古いのの対比が面白いもの町でした。

 

 

 

 

●中野編

 

村田:「中野にやべえ家がある」とタレコミ情報をいただきまして行きました。

 

 

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中島:これは道中ですね。ピンク色のゴミを見つけて、ギャルが引っ越したのかなと。

 

村田:男が変わった可能性もある。ギャル系の男と付き合ってたのが、サードウェーブ系男子と付き合いはじめて模様替えしたのかも。

 

-全部ドン・キホーテに売ってそう。

 

 

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中島:S字がたくさんひっかかってるのに、下になにも無い。

 

 

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中島:スタイリッシュなホース。コンクリートの家に住んでる人はちゃんとこういうホースを選ぶんだっていう感動です。服と帽子を合わせるようなコーディネートが出来てます。

 

 

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村田:タレコミのあったおうちですね。家のまわりに鉄パイプを組んで、そのあいだに植木鉢をはさみこんでる。東京のサグラダファミリアって一部では呼ばれてるおうちなんですけど、90歳のおじいちゃんがやってます。
もともと鉄工所をやってたのがリタイアして、いまは鉄工所でつかってた作業道具をおうちにみんな持ってきて、20年くらいかけてこの状態まで育ててる。

 

-植木を置くためにこうしてるんですか?

 

 

 

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中島:そういうわけではないですね。家を増築するわけでもないし、ちょっと理由はわからないんですけど。植物はアクセントですよね。

 

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中島:おうちに上らせてもらって、ホースもいたるところに散見されたんですけど、実際使ってるわけでなさそうで、建物に取り込まれている。だんだん現代アートに見えてきました。

 

 

 

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木村:これは罠。ピーナッツの罠。

 

 

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木村:これ植木鉢なんです

 

 

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木村:ズームしていくと、生えてます

 

 

 

 

●雑司ヶ谷編

 

中島:最後は雑司ヶ谷ですね。池袋の近くにある町ですね。

 

 

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村田:このあたりには、やたらと倒れた枯れた木があった。我々はこれを「池袋スタイル」って呼んでます。これ、流行ってる。

 

 

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木村:間にスポスポスポって入ってて気持ちいいですね。バランスも絶妙。

 

 

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村田:雑司ヶ谷で一番暑かったのがこのおうちなんですけど、クロボウシっていう多肉植物なんですけど、子株が生えるたびにどんどんほかの植木鉢にさしていって、株分けしまくってる。

 

木村:中島さんがコピペ系って言葉で呼びはじめて。

 

 

 

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村田:シャンパンタワーのようにクロボウシのタワーが出来ている。

 

-まえから不思議だったんですけど、多肉植物ってなにが楽しくて育てるんですか?

 

村田:形にすごいバリエーションがあって、面白いんですよね。あと、増えやすいですよね。このおうちの周りには、やたらクロボウシをおいてる家があって、ここのおじいさんが分けてるんじゃないかって。

 

 

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木村:抹茶プリンがお好きだそうで、私、その容器で株分けしてもらったんですよ。「これ、いるかい!」って言われて、ビニール袋に入れてくれました。

 

 

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村田:雑司ヶ谷ってやたら人情にあふれてて、街の片隅にこういう疲れたときにお座りくださいってイスがある。

 

中島:目の前に美しい川があるとかではなく、ただの住宅地にイスが置いてある。

 

 

 

【このツアーのガイドさんたち】

◎路上観察トリオ「庭先PT」(facebookページ

・木村りべか(図画工作作家)/ twitterinstagramサイト

・中島由佳(写真家)/ twitterinstagram公式サイト

・村田あやこ(路上園芸学会)/twitterFacebookinstagtam

 


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